北欧の歴史
1.ヴァイキングの歴史 ゲルマンの一族であるノルマン人は8世紀末になるとヴァイキングとなり、機動性のある船と巧みな航海術により盛んにイングランドや他のヨーロッパ諸国に侵攻し始める。
11世紀になると侵攻により学んだ農業とキリスト教の普及により,国家の形成が進んだ。
2.国家の形成が早かったデンマーク 11世紀前半にデンマークのクヌート王がノルウエー、イングランドにまたがる北海帝国を築く。この帝国は1代で崩壊、その後はデンマーク、スエーデン、ノルウエーの3国が王権と領土を巡り争乱が続いた。
フィンランドはフィン族の諸部族が散在し、統一した国家が形成されなかった。1917年に独立するまで、スエーデン、ロシアの勢力争いの場となった。
14世紀になると、バルト海沿岸の諸都市がハンザ同盟が勢力を得てバルト海の通商を支配したが、これに対抗してデンマークの女王マルグレーテは、スエーデン、ノルウエーも含めた3国の軍事同盟、カルマル同盟を結び対抗したが、1523年スエーデンが独立し同盟は崩壊した。
17世紀、スエーデンのグスタフ2世はデンマークを破り領土を拡大しバルト帝国を築いた。1700年から20年続いたデンマークとスエーデンの北方戦争は王権を弱体化し、貴族の政党政治や啓蒙君主制により、近代国家としての基礎が形成される。
3.ナポレオン戦争と産業革命 北欧諸国は中立を守ったが最終的には巻き込まれ、ノルウエーはデンマークから独立、スエーデンと平等な資格で同君同盟(国王は一緒)を締結した。広大な国土を失ったデンマークはその後酪農を盛んにし、現在の福祉国家の土台を築いた。
戦争中、ロシアに侵攻されたフィンランドはスエーデンからロシアに割譲されてしまった。
4.ノルウエー、フィンランドの独立 ノルウエーのスエーデンからの独立は1905年であるが、ノルウエー川のねばり強い交渉と国際世論のバックアップで実現した。
ロシア治下のフィンランドは1917年のロシア革命をきっかけに自治政府を樹立したが、内戦が起き、1919年に共和国として新たに誕生した。